【青森】「救急医療情報キット」取り組み広がる

東奥日報 2019年5月7日

 かかりつけ医や持病、緊急連絡先などの情報を書いた紙を、1人暮らしの高齢者らの自宅の冷蔵庫などに保管してもらい、救急搬送時に役立てる「救急医療情報キット」の取り組みが青森県内で広がっている。黒石市、むつ市、野辺地町などが既に実施。弘前市と市医師会は本年度から、「安心カード」として運用する。取り組み拡大の背景には、独居高齢者の増加によって、医療情報や緊急連絡先が得られにくくなっている現状がある。 弘前市の健生病院の救急治療室(ER)には、毎日多くの高齢者が運ばれてくる。「入院の7割、外来の5割が高齢者。10年間で約10ポイント増えた」と太田正文医師。「高齢者の情報が早く分かれば、処置を早く、適切に始められる」と、弘前市と市医師会が本年度運用するシステムに期待感を示した。 弘前消防本部によると、高齢者の救急搬送依頼があった場合、高齢者宅で保険証、診察券などを探し、搬送先を決める参考とする。しかし、ごくまれにそれらの情報がなく苦労することがあるという。 弘前の「安心カード」は、救急隊や医療者側の要望を受けて約1年半前から準備を進めてきた。安心カードを筒状の透明なケースに入れて、冷蔵庫に保管してもらう。冷蔵庫に保管するのは、どの家庭にもあり、ケースが見つけやすいため。カードがある世帯であるかどうかは、玄関裏のシールで分かるようにする。本年度、手始めに約5千部用意する。 黒石市は、同様の取り組みを2010年から実施している。黒石消防署の今教生副署長は「緊急連絡先が書いてあるので、大変役立っている」と語る。 むつ市高齢者福祉課によると、10年の事業開始からこれまで1500以上のキットを配布。近年では年間1~3件、搬送時の活用事例があるという。 10年ほど前からキットを導入している野辺地町では、高齢者らの基本情報の更新が課題となっていたため昨年、住民の同意を得て、情報を更新するとともに、救急隊員らがタブレット端末で見られるようにした。 八戸市は、高齢者や障害者ら災害時要援護者名簿に登録している市民にキットを配布している。 弘前市のシステム導入へ準備を進めてきた弘前市医師会の今村憲市会長(県医師会理事)は「高齢者が増える中、救急医療情報が活用されるのではないか。救命率向上にもつながる」と話した。

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