国保料滞納269万世帯 3分の1 国保証取り上げ 18年度厚労省調査
しんぶん赤旗 2019/4/29
国民の4人に1人が加入し、自治体が運営する国民健康保険制度で、2018年度に保険料・税(国保料)を滞納していた世帯は、全加入世帯の15%近い約269万世帯であることが、厚生労働省の調査で分かりました。また、国保料滞納世帯の3軒に1軒は、滞納を理由に正規の被保険者証(国保証)を取り上げられ、安心して医療を受けられない状況にありました。
表:国民健康保険料滞納世帯の状況(2018年6月1日現在) 調査は、同省国民健康保険課が今月14日に公表した自治体国保の財政状況に関するものです。 それによると、18年6月1日現在の自治体国保の全加入世帯は1836万7841世帯でした。このうち、国保料を一部でも払えていない滞納世帯は269万3920世帯で、全加入世帯に占める滞納世帯の割合は14・7%でした。 調査をもとに滞納世帯の状況を都道府県別にみると、滞納世帯の割合が最も高いのは東京都の22・3%でした。(表) 滞納世帯の割合が高い理由について都は「収入が不安定な非正規雇用の被用者の割合が高い、被保険者の異動率・転出入率が高い、短期留学生等の外国人が多いといった大都市特性があり、被保険者の資格管理や所得捕捉、収納率の確保が難しい」(東京都国民健康保険運営方針)ためだとしています。 滞納世帯に対する制裁措置である正規の国保証取り上げの実態をみると、有効期間が短い「短期被保険者証」の交付世帯は75万3410世帯、受診時にいったん医療費全額を負担しなくてはならない「資格証明書」の交付世帯は17万1455世帯。あわせて約92万4千世帯が正規の国保証を取り上げられており、滞納世帯のうち正規の国保証不交付世帯は34・3%に上りました。 滞納世帯に占める正規の国保証不交付世帯の割合を都道府県別にみると、最多の高知県(71・2%)から最少の埼玉県(13・9%)まで大きな開きがありました。 厚労省の別の調査(17年度国民健康保険実態調査)では、正規の国保証不交付世帯の6割は年間所得が200万円未満でした。自治体国保では、公的な医療保障を最も必要とする低所得世帯が、正規の国保証を取り上げられ、命と健康を脅かされています。 国保料滞納世帯が全加入世帯の15%近くを占めている背景には、高すぎる国保料の問題があります。 日本共産党は、公費1兆円を新たに投入して国保料を大幅に引き下げ、中小企業の労働者が加入する協会けんぽ並みにすることを提案。同時に、無慈悲な国保証取り上げの制裁措置を規定した法律改正で、取り上げをなくすよう求めています。
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