まずは健康保険のオンライン資格確認から 20年度、ICT情報連携が本格始動へ

MedWatch  2019年01⽉24⽇
 厚⽣労働省が18⽇に開催した「2018年度全国厚⽣労働関係部局⻑会議」では、ICTを活⽤した施策が⽬⽴った。20年度から健康保険のオンライン資格確認や保健医療記録の共有サービスが本格稼働する予定で、19年度に対応が必要な医療機関も多そうだ。
■マイナンバーカードでの保険加⼊状況確認のための機器などに補助 保険局は、19年度予算案で「医療情報化⽀援基⾦の創設」として300億円を盛り込んでいる。同基⾦は、(1)オンライン資格確認導⼊に向けたシステム整備(2)電⼦カルテの標準化に向けた電⼦カルテ導⼊-の補助⾦に充てられ、医療機関や薬局が対象になる。(1)のオンライン資格確認の導⼊に向けたシステム整備は、20年度からマイナンバーカードでも、健康保険の加⼊状況を照会できるようにするため、医療機関がソフトやハードを導⼊する際の費⽤を補助するものだ。
オンライン資格確認のイメージ 「2018年度全国厚⽣労働関係部局⻑会議」資料より(以下、同様)
 厚労省にソフトやハードの導⼊コストを尋ねると、医療機関ごとにシステムベンダーやシステムの作り込みが異なるため、ベンダーが共通のパッケージを販売しても、医療機関ごとに実際の費⽤には差が出るとし、補助⾦額も今後⽰したいとした。 医療情報化⽀援基⾦の創設は、今通常国会に提出される「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の⼀部を改正する法律案」(仮称)に含まれるが、同法案には、ICTやデータの活⽤を念頭に置いた項⽬が多い。
医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の⼀部を改正する 法律案(仮称)の概要 
■データベース活⽤し、効率的に⾼齢者をフォロー 表の4の「⾼齢者の保健事業と介護予防の⼀体的な実施等」は、75歳以上の⾼齢者に対する保健事業を、市町村が介護保険の地域⽀援事業などと⼀体的に⾏えるように、医療や介護のデータベースの解析などを通じ、⾼齢者の医療・介護情報を⼀括で把握できるようにするもの。 データなどを基に、課題の⾒られる⾼齢者については、保健師などの専⾨職が相談や訪問指導などを⾏い、通いの場を中⼼とした介護予防や、必要な医療サービスにつなげる。 厚労省の担当者は、保健事業を進める中で、介護と医療の間や、後期⾼齢者になる75歳を境に制度や情報の断絶が⾒られたことから、効率的に⾼齢者の健康状態を把握し、最後まで⽀援できるようにしたいと述べた。
⾼齢者の保健事業と介護予防の⼀体的な実施(市町村における実施のイメージ図)
■電⼦カルテのない医療機関でも情報連携に参加できる 医政局では、20年度中の本格稼働を⽬指し、全国的な保健医療情報ネットワークの構築を進める。 医療関係者が、初診時などに患者の状況を把握し、過去の治療履歴や処⽅情報を踏まえ、診断などに活⽤するもので、これまでも各地で情報連携の取り組みは進められてきた。 今回は、医療情報連携を拡⼤する試みで、厚労省ではまず、患者情報を相互に閲覧できる「保健医療記録共有サービス」をスタートする予定で、既存の地域医療情報ネットワークや医療機関、調剤薬局の参加を促す。 診療情報や服薬情報は、共通化された「閲覧ビューワー」※で⾒ることを想定している。既に普及しているレセコンデータも活⽤し、電⼦カルテのない医療機関でも参加できるようにする。 20年度以降は、介護情報などの情報共有も順次検討していく考えだ。
※電⼦カルテやレセプトコンピューターの患者データ(項⽬は限定的)を閲覧するための画⾯。 アプリケーションを活⽤し、ウェブブラウザで⾒ることを想定している。全国的な保健医療情報ネットワークの概要イメージ(2020年度本格稼働時) 

「ポチッ」して頂けると励みになります♡

仲間募集中

業務拡大につき、看護師、理学療法士、作業療法士、事務職+保育士・歯科衛生士・栄養士・管理栄養士さんを募集中。
週1回1時間から働ける柔軟で明るい職場で、子育てママや社会人学生も在籍。
すぐに考えていないけれど、少しでも御関心があれば、とりあえず雑談させて下さいませ。