社会福祉法人、介護や老人福祉主体は「厳しい経営環境」  福祉医療機構

Medifax digest 2018年12月21日

 福祉医療機構は19日、2017年度の社会福祉法人の経営状況に関するレポートを公表した。サービス活動収益対サービス活動増減差額比率は、介護保険事業主体法人2.5%、老人福祉事業主体法人1.8%となった。介護保険事業主体法人と老人福祉事業主体法人は、赤字割合が30%を超えており、厳しい経営環境であると分析した。
 社会福祉法人全体でのサービス活動収益対サービス活動増減差額比率は、3.4%となり前年度より0.6ポイント低下した。これについて同機構は、福祉業界における人材不足を背景とした1人当たり人件費の増加などによって、人件費率が上昇したことが主因と説明。18年の介護報酬改定率が0.54%のプラス改定だったことを考慮しても、人材不足による人件費の上昇圧力を踏まえると「大きく改善することは見込み難いのではないだろうか」と記した。
 離職率の項目では、社会福祉法人全体では14.1%だったのに対し、老人福祉事業主体法人が15.8%、介護保険事業主体法人が15.7%となり、両法人ともに比較的高い水準となった。
 同機構は、収入を増加させるために介護報酬などの各種加算を取得しようとしても、従事者の加配が必要なものが多く「人材不足と収益減という負のスパイラルに陥っている法人も中には見受けられる」と指摘。このような状況から脱するためにも、職場環境を向上させながら、人材確保に注力すべきだとの見解を示した

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