【徳島】24時間訪問介護サービス知って 難病患者が訴え

朝日新聞 2018年10月27日

24時間訪問介護制度の活用を呼びかける内田由佳さん(左)と武川修士さん=徳島県庁
 鳴門市の女性(74)が、難病の次男(当時49)を殺害した容疑で逮捕された事件を受け、県内に住む難病患者らが26日、県庁で記者会見を開き、在宅の障害者向けの24時間訪問介護の周知を訴えた。
 会見を開いたのは、徳島市の筋ジストロフィー患者内田由佳さん(36)と、三好市の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の武川修士さん(68)と妻豊子さん(66)、桜井彰弁護士。
 内田さんは美馬市に住んでいた2015年4月、同市から県内で初めて24時間介護を認められ、その後、徳島市に転居して一人で生活している。武川さんは17年12月に三好市から24時間介護を認められた。それぞれ、桜井弁護士が市との交渉を引き受けた。
 内田さんは「鳴門の事件を聞いて、当事者として驚き、深い悲しみを感じた。介護は家族が担うものという意識が強く、家から出ずに暮らしている人も少なくない」とした上で、「重い障害がある人も、24時間介護を受けて地域で生きられる選択肢があることを知ってほしい」と呼びかけた。
 武川さんの妻豊子さんは「最初は私が介護するという気持ちだったが、病状が進行して難しくなった。(24時間介護を認められる以前)夫は鳴門のような事件にならないかと恐れていた」と振り返った。今は豊子さんの夜間の介護は週1回程度になり、負担が軽減されたという。
 「介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット」によると、24時間介護を認められているのは全国で数百人。徳島県内は全国の都道府県で3番目に少ない2人にとどまっているという。
 内田さんは「自立生活センターとくしま」を立ち上げ、重度障害者の相談を受けている。これまでに10人ほどから相談があったという。問い合わせは同センター(050・5896・8794)。メールアドレスは(bickey1998@yahoo.co.jp)。(福家司)
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 〈24時間訪問介護〉 在宅の重度障害者が、食事や入浴、排泄(はいせつ)の介護、外出時の移動支援などを24時間体制で受けられる。「重度訪問介護」制度に含まれており、市町村に認められれば、経費は市町村などから支給される。地域の事業所が24時間体制でヘルパーを派遣できない場合、自分でヘルパーを募集することもできる。

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