看護師特定行為で調査、「医師会巻き込んで」の普及を  日慢協

Medifax digest 2018年9月18日

看護師特定行為研修制度について日看協と協力する姿勢を協調した武久会長=13日、東京都内
 日本慢性期医療協会は13日の記者会見で、看護師特定行為研修の修了者に対するアンケート調査の結果を公表した。特定行為を実施する上での問題点について「特定行為に対する医師の理解が得られない」などの意見が上がった。特に、訪問看護で、かかりつけ医の理解が得られないケースがあるという。
 同協会看護師特定行為研修委員会の矢野諭委員長は「厚生労働省が薦めている地域の医師会単位で在宅をやっている主治医を巻き込んで広めていくことが個人的にもいいと思っている」と述べた。

●特定行為、最多は「気管カニューレの交換」で64%
 このほか、問題点としては▽患者や家族による拒否▽医師が常時いるため不必要▽実施することの不安▽診療報酬との整合性が不明確―などが挙げられた。特定行為の7月の実施状況は、最も多かったのが「気管カニューレの交換」で64.4%、次いで「中心静脈カテーテルの抜去」が41.7%、「褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去」が37.9%などだった。アンケートでの要望を受け、10月末には講義と実技の研修を実施する。調査は8月に実施し、日慢協の研修修了者119人が対象で105人から回答を得た。
 同日の会見で武久洋三会長は、いわゆる特定看護師が今後、病院、施設、在宅などさまざまな場で求められるとし、制度の普及に向けて「日本看護協会に全面的に協力、協調する」との方針を述べた。会見終了後には、日看協の担当役員らと今後の取り組みを話し合うことも明らかにした。

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