介護福祉士養成校 入学最少…今年度 留学生倍増 6分の1占める

読売新聞 2018年9月12日

 介護現場で指導的役割を担う介護福祉士を養成する学校への今年度の入学者数が過去最低を更新する一方、外国人留学生が倍増し、全体の約6分の1を占めることが、日本介護福祉士養成施設協会(東京)の調査でわかった。海外で日本の介護市場への関心が高まる一方、介護職を目指す日本の若者の減少には歯止めがかかっていない。
 協会が介護福祉士の養成課程がある全国の大学や専門学校など365校について調査、集計した。今年度の入学者数は6856人と5年連続で減少し、定員に対する割合(定員充足率)は44・2%にとどまった。
 外国人留学生は前年度の約2倍の1142人に急増し、入学者全体の16・7%を占めた。出身国も20か国からと多様化し、ベトナムが542人で最も多く、中国(167人)、ネパール(95人)が続いた。
 留学生急増の背景には、昨年9月、「改正出入国管理・難民認定法(入管法)」の在留資格に「介護」が追加されたことがあるとみられる。留学で来日した後、介護福祉士の資格を取得して就職が決まれば、最大5年の在留資格が得られ、繰り返し更新できるようになった。
 昨年11月には、外国人の技能実習制度の対象に「介護」が加わり、今後、実習生に外国語で指導も行える有資格者の需要が高まり、待遇向上が期待できることも留学意欲につながっているとみられる。
 一方、日本人の入学者数の減少には歯止めがかかっていない。東洋大の高野龍昭准教授(高齢者福祉)は、「専門性の高い介護人材の確保という視点からも重要な資格。さらなる処遇改善やイメージアップの取り組みが必要だ」と話している。

 【介護福祉士】 高齢者や障害者の介護に関わる国家資格。介護の専門知識や技術を有し、ヘルパーなど他の介護職員への指導を行うなど、現場リーダーとしての役割が期待される。

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